ポスティングを実施する際、重要な要素として商圏があります。
店舗ビジネスなどでは的確な配布エリアやターゲット層の選定のため商圏調査は欠かせません。
商圏について理解を深め正しい方法で調査を行えばより的確なポスティングを実施できます。
そもそも商圏とは、店舗や施設などのマーケティングにおいて消費者の集客が見込める範囲のことをいいます。
チラシを配布するエリアには、どのような人が住んでいてどんな立地になっているかなど把握することでポスティングする際のいろいろな目安を決められます。
- 人口特性
- 交通量 通行料
- 地域周辺の立地や施設
などです。
商圏を調査するうえで基本となるのが、地域の世帯数や世帯所得、年齢層や男女比などの人口特性になります。
世帯数や年齢層、男女比などは各市のホームページなどでも公開しており
数ヵ月ごとの更新がある市町村もあります。
どんな層の消費者が多く住んでいるかを知ることで、配布するエリアを絞った反響率の高いチラシを制作したりすることにつながります。
商圏というとターゲット層に注目しがちですが
どこに人の流れが集中しているのかといった交通量や地域周辺の立地・施設にも目を向けたいところです。
大型の商業施設やテーマパークなどの人がにぎわっている場所があれば、遠くから訪れる人もそれなりにいます。
その際の経路の自社の店舗があるなら、多少離れているエリアの住民でも商圏としてポスティングの配布エリアになるのです。
さらに店舗の業種や業態によっても商圏は変わります。
店舗数の多いコンビニ、スーパーなどは商圏が狭くなりますし、店舗数の少ない専門店、ショッピングセンターなどは遠くのエリアから訪れる消費者がいるため商圏は広くなります。
適切な商圏エリアを決めるためにも各自の状況にあわせた条件などを設定する必要があります。
商圏調査で見えてくること
商圏調査をすることでその地域に住んでいる消費者の動向がつかめます。
例えば徒歩や車で来店できる範囲にはどんな年齢層や職業の人が住んでいるのかがわかるため、狙っているターゲット層へ的確にチラシ配布することが可能です。
そして配布エリアを絞る際に店舗までの経路や障害となるものを把握できます。
具体的には山や丘、線路や駅など迂回しなければならない場所や施設です。
消費者が来店する際に遠回りとなる要因を突き止めることで距離的には近くても来店するまで時間がかかり店舗へ訪れる可能性が低い住宅へのポスティングを控えられます。無駄な配布を減らし費用対効果を高めるためにも、こうした状況を想定して考えなければならないのです。
また近隣の競争店などの調査をすることで、自社の店舗へそんな人が訪れやすいかを推測することもできます。顧客層や客単価を調べればターゲット層を定めやすくなり集客状況などが分かれば自社でも改善に活用できる情報が出てくることもあるでしょう。
自社のマーケティングを効果的に実施するためにも、商圏調査はとても理にかなっているのです。
商圏調査の目的と作成の流れ
商圏調査の目的は業種などによって異なりますが
基本的には店舗や施設へ集客するための情報を集めることです。
では具体的に商圏調査は何を目的として作成すればいいのか
ここでは大まかな商圏調査の目的や作成の流れについてお話します。
チラシ配布エリアの特定
ポスティングにあたってまず店舗からの商圏がどの程度範囲かを特定することが必要になります。範囲が広すぎると無駄にチラシを配ることになりますし、逆に範囲が狭すぎると集客効果が薄くなるからです。
配布エリアを特定する方法としては、距離、時間などで商圏を設定します。
例えば距離の場合だと地図上で店舗を中心に半径5㎞の円を引きおおまかな範囲を決めておきます。すると住宅と店舗を結ぶ直線的な距離がわかるのでそれを基準として配布の目安になります。
ターゲット層の多いエリアに限定してポスティングを実施できれば
費用対効果も高まるはずです。 例えばファミリー層向けの店舗や商品を宣伝するのであれば、集合住宅や戸建などの家族向け住宅が多く密集するエリアを特定してチラシ配布を行います。
ジュエリーショップや高級車のディーラーといった富裕層をターゲットに見据える場合、高級住宅街などが狙い目です。
狙っているターゲット層が多いエリアを特定できれば、スタッフの配布効率もよくなります。
見積の作成
実際ポスティングを行うにあたりどの程度の費用がかかるのか把握しておきましょう。
自社でポスティングを行わないのであれば、ポスティング会社に見積を頼めば、配布エリアの商圏調査も含め適切な配布エリアを提案してくれるでしょう。
WEBサイトでチラシ用のテンプレートも配布されていますし、今ではスマホでもチラシが作成できます。しかしよりクオリティーの高いチラシデザインにしたい場合にはポスティング業者やチラシやポスター作成の専門の会社に依頼してもいいでしょう。
枚数が増えるほど1枚あたりの料金は安くなる傾向ですが大量に発注し、チラシが余ってしまっては意味がありません。また余ってしまったからといって商圏外に配布をしてもなかなか思ったような反響が得られないこともあります。特定した配布エリアからどの程度の量を配布するのか想定し、正しい見積を出しましょう。
このように商圏を調査することで自社店舗の周辺の商圏エリアの地域性や住民性に合わせて
柔軟な戦略を検討することができるのではないでしょうか。